アンタエウスオオクワガタ
飼育記録
学名:Dorcus antaeus
主な産地:東南アジア
最大で90㎜を超す、オオクワガタの中ではかなりの大型種です。
「アンタエウス」はギリシャ神話の巨人「アンタイオス」が語源であり、
太く長い大顎、艶のあるがっしりとした体が特徴の本種は
逞しさとカッコよさと美しさを兼ね備えており、
外国産クワガタムシの中でもかなり高い人気を誇ります。
主に高い山に生息しているため暑さには弱く、
日本国内で常温で飼育するのは不可能です。
一方で温度の問題をクリアすれば沢山産卵し、幼虫も良く育ちます。
ファンの間では「アンテ」という愛称で呼ばれており、産地によって
「インドアンテ」「ブータンアンテ」などと呼ばれることがあります。
2024年4月1日 振り返って
2022年に購入した
「外国産クワガタムシ 3ペア」の中に
含まれていたのが本種で、産地は
「ブータン シェムガン」と
書かれていました。初めて見た時は
「ブリーダーが惹かれるのもよくわかる」
と、本種に一目惚れでした。
その後にセットを組んだ結果20匹ほどの
幼虫を得られ、1匹も落ちることなく
ここまで来ることが出来ました。
2023年に羽化した個体もいますが、
2024年に入り、残り全てが無事に蛹化。
現在は羽化を待っています。
羽化してから成熟までは約半年かかるので、次世代の産卵は早くて年末、
そうでなければ2025年に入ってからです。
2024年5月6日 小さな巨人
この日を迎えるまでにいくつかのメスが
羽化していましたが、この日に確認した
ところ、最初のオスが羽化しそうに
なっているのを発見しました。
まだ足が出来上がりきっていませんが、
それでも数日の内には羽化すると思います。
大きさはかなり小さく、おそらく50㎜ほど
だと思いますが、無事に羽化することを
祈ります。
2024年5月9日 巨人(?)の羽化
朝、出勤前に確認すると既に蛹の皮を
脱ぎ終わっていました。この状態で
羽が乾くのをしばらく待つことになります。
羽化したばかりの白い羽はどの種でも
何度見ても神秘的で、愛情を注ぎ続けた
1つの結果が出たな、と達成感を感じます。
アンタエウスは前蛹~蛹~羽化直後は
非常に暑さに弱く、30℃、あるいはそれに
近い温度だと死んでしまうようなので
温度に気を配りながら管理します。
2024年6月2日 親を超えるか
夜に確認すると、蛹室の中でお尻をくるくると動かしている蛹の姿が。
ただ単にそれだけなら蛹の状態ではたまに
あることですが、それと一緒に足を動かし、今までの仰向けの姿勢からうつ伏せに
なろうとしていました。
考えられることはただ一つ。羽化の時期が
近づいたこと。画像だと見辛いですが、
うつ伏せになって間もない
羽化直前の状態を撮影しています。
この子はオスの蛹の中では大型だった子で、
親の体長の70㎜を超すかが楽しみです。
しかしこれからは暑い夏がやってくるので、温度に一層の注意をしなければなりません。
2024年7月5日 これぞ『巨人』
大きな個体が羽化してから約1ヶ月が
経過したので掘り出すことにしました。
この2匹はほぼ同時期に羽化した子で、
かなり大型であった期待の星たちです。
大暴れしていたので体長の測定に
苦労しましたが、結果はどちらも
75㎜前後ほど。親が73㎜ほどだったので、
わずかに親を超えたことになります。
羽化した大型のオスを改めて見ると、
がっしりした力強い体型に惹かれました。
繫殖出来るようになる時期を見計らって、
次世代を育てたいと考えています。