インターメディアツヤクワガタ
飼育記録
学名:Odontolabis intermedia
主な産地:フィリピン・ネグロス島、パラワン島
ツヤクワガタの中ではアルケスツヤクワガタ、ブルマイスターツヤクワガタと並び
大型になる種で、最大で100㎜を超します。
体色は黒一色で、名前の通り艶がある体をしています。
アルケスツヤクワガタとよく似た姿をしていますが、あちらは
大型になると内歯が消滅して先端にわずかに残るのみになり、
こちらは大型でも内歯が消滅しないという違いがあります。
ツヤクワガタは種類によって飼育の難しいものもいますが、
本種はその中でも比較的容易な方であると言われています。
2024年4月1日 初めての挑戦
2023年の5月、知人から本種の幼虫2匹を
もらいました。ツヤクワガタ種は初挑戦
ですが、知人曰く
「他の種にはない面白みがある」とのこと。
私も気になっていた種であるため、
思い切って飼育を開始しました。
2024年4月20日 まさかこれは……?
前回幼虫のマットを交換してから3か月が
経過したため、中の様子を見つつ
マット交換を行いました。
1400mlボトルに入れていた幼虫は23.7gから
21gに減量。とはいえとても元気なので、
問題はなさそうです。
もう1匹は前回40g超えでしたが、ケースを
ひっくり返すとチョコレートケーキのような土の塊が出てきました。
もしやと思い外に小さな穴をあけると、
中に幼虫が居座っていました。
「ツヤクワガタは蛹になる時に繭を作るぞ」
と知人から聞いていましたが、これが……?
なお、あけた穴は数時間後に塞がって
いました。もう一度あけると再び塞がれた
ため、とりあえずこのまま放置することに。
3週間ほど経過したら再度確認します。
2024年5月12日 鶴の恩返しに学ぶ
おそらく繭と思われる土の塊をこの日に
確認すると、穴をあけた箇所はすっかり
塞がれていました。
ピンセットの先端を使って慎重に再度
穴をあけると、やはりそこには幼虫が。
しかし、中の幼虫は体がまだあまり黄色く
なく、皺もあまりありませんでした。
もしかしたらまだ成長するのかも
しれませんが、誤って蛹室を
壊してしまったら一大事になります。
中が気になる気持ちをぐっとこらえて
定期的に様子を見ることにしました。
2024年6月14日 悲劇の幼虫
定期的に確認を続けていた幼虫が蛹になったことを確認しました。
しかし、どうにも様子がおかしいような気がしたために中を暴くことに。
すると中にいたのは、足があらぬ方向に
曲がり、幼虫の頭がついたままの蛹。
一言で表せば「蛹化不全」であり、蛹になる
ための脱皮に失敗してしまったものです。
この状態になっても羽化することはある
そうですが、可能性は非常に低いです。
初めての飼育の中でこうなってしまったのは悲しいのですが、それでも動いていたので
生きていたのは事実。
羽化が出来ても出来なくても、
この子の最期を看取ります。
2024年8月14日 悲劇と試練を乗り越えろ
観察を続けていた不全の蛹はカビが生えて
しまい、亡くなってしまいました。
残ったもう1匹の幼虫が入っている容器を
確かめると、中から羽化間近のメスの蛹が
出てきました。状況を知人に説明すると
「人工蛹室でも大丈夫。繭の中を測って
それと同じ大きさで深めに作れ」とのこと。
割れた繭の中をノギスで測定して縦6㎝、
横3.6㎝で作り、蛹を投入します。
人工蛹室は大体「縦も横も蛹の大きさの
1.5倍、クワガタのオスは縦を長めに」で
作成していた身としては、ここまで
ピチピチのサイズの人工蛹室は初めてです。
数日のうちに羽化すると考えられますが、
とにかく無事を祈ります。
2024年8月16日 最初の試練は…
朝に確認すると、無事に羽化していました。
山場を一つ乗り越えてくれたようで、
ほっとしています。
ここからエサを食べ始めるまでは2か月ほど
かかるとのことですが、それまでの間に
突然死が起こらないかが心配です。
理由は、掘り出しの時に繭玉がゴロゴロと
転がってしまったから。この時に内臓が
傷ついていた場合、短期間で
亡くなってしまいます。
無事だった場合は次世代を目指したい
ですが、注意深く様子を見ていきます。