クワガタムシの産卵
このページでは各種クワガタムシの
産卵セットの組み方について解説します。
産卵セットその1
産卵材に産卵する「材産みタイプ」向けのセットであり、
このようなクワガタは周囲のマットよりも産卵材の状態が重要になります。
基本的には材の断面を爪で押すと少し跡がつくくらいの固さが丁度良いですが、
国産オオクワガタの場合はそれよりももう少し固めの方が良いです。
産卵に使う材は加水して柔らかくしてから陰干しします。
加水の時間はまちまちですが、1時間丸ごと水の中に沈めてから取り出し、
ナイフやスクレーパーで樹皮を剥いでから2時間ほど陰干ししましょう。
(日光に当て続けると水分を失ってカチカチに戻ってしまいます)
マットは広葉樹の物を使用し、あとは転倒防止材とゼリー、交尾済みのメスを入れます。
材産みタイプは大雑把にはこれでOKですが、種類によっては多少の差異があります。
タイプA(材に潜って産む国産オオクワガタ)
上記の手順で問題ありません。
タイプB(材の表面に産むフタマタクワガタなど)
材にアオカビが生えてしまうとほぼ産まなくなってしまうので、
陰干しの時間を倍ほどに長くする、使用するマットを材の表面に擦りこむ、
バクテリア材(加水し、樹皮を剥いで陰干しした産卵材を幼虫飼育に使用するマットに埋め、
2週間ほど放置する)を使用するなどがおすすめです。
また、材は埋め込まずにマットの表面に転がす程度でOKです。
タイプC(オウゴンオニやタランドゥス、レギウス)
専門店で売られているレイシ材やカワラ材、或いはカワラ菌糸というタイプの菌糸ビンを使用します。
環境を気に入れば材の中に入って産みます。
マットには産まず、幼虫も材から出てこないので成虫管理に使う
針葉樹のマットでも問題はありません。極端なことを言えば材が転がらなければいいので
その要件を満たすのであれば本当に何でもいいと思います。
こちらも材は埋め込まないようにしましょう。
メスが材を気に入ると中に入っていき、木屑が噴き出します。ワクワクしながら待ちましょう。
産卵セットその2
材とマットの両方、或いはマットに産む「マット産みタイプ」向けのセットであり、
種類によってはそもそも材が不要という種類もいます。
このタイプの場合は産卵木は総じて柔らかめの方がよく、
元々から柔らかいものを使用する手もありますが
前述したバクテリア材にすることにより意図的に柔らかくすることも出来ます。
タイプA(ノコギリ・ホソアカ・パプキンやニジイロなど)
マットの中に柔らかめの材をしっかり埋め込みます。
一部の種類はマットだけでも産卵します。
タイプB(ツヤクワガタ、ネブトクワガタ、マルバネクワガタなど)
材には産まないのでマットだけでも問題ありませんが、
完熟した黒いマットを使用します。
しばらく経ってから幼虫で割り出す方法や、1週間おきに確認して
卵で割り出す方法がありますが、メスが気分屋なことが非常に多く、
すごく産む場合もあれば生涯を通して殆ど(或いは全く)産まないこともあります。
産卵セットその3
主にヒナカブト種に有効な産卵セットです。
ヒナカブト種自体は小型なので小ケースでもOKです。
全体的な方法はその1の国産カブト向けのセットと同じであり
マットは押し固めても押し固めなくても問題はありません。
大きく異なるのは「マットの上に水苔を敷く」ことであり、メスはマットの中に
水苔を引き込んで産卵スペースを作り、そこに産卵するのだそうです。
水苔は100円ショップにも売られているので入手は簡単です。
マットの上に霧吹きなどで加水してしっとりさせた水苔を数㎝敷き、
あとはエサのゼリーとメスを入れればOKです。