スマトラオオヒラタクワガタ
飼育記録
学名:Dorcus titanus yasuokai
主な産地:インドネシア・スマトラ島
数多くいる外国産クワガタムシの中でも非常に人気が高い種で、巨大な物は105㎜を超えます。
ヒラタクワガタの例に漏れず非常に力が強く好戦的な本種は、
気に入らなければ同族のメスも殺すほどに気性が荒いです。
体の横幅も大顎の幅も太く重厚感のある体をしており、まるで戦車のようです。
名前の通りスマトラ島に分布していますが、どの州の個体かで体の大きさや形が違います。
寒さにはやや弱いですが寿命は長く、1~2年は生きます。
あまり大きなものでなければ成虫も幼虫も安価で購入できますが、
いわゆる「血統付き」のものとなると価値が跳ねあがります。
2024年4月1日 期待と不安を胸に
以前、とあるショップで福袋を購入した際にアチェ産のスマトラオオヒラタが同梱されていました。飼育の結果子孫を残すことに
成功し、オス1匹とメス2匹を得られました。
オスは80㎜程で2023年10月生まれ、
メスはどちらも40㎜程でそれぞれ
2023年2月生まれ、3月生まれです。
今年に入りようやくゼリーを食べ始めた
ので、繁殖に挑戦することにしました。
2024年4月15日 奥の手を
13日にペアリングを試みましたが、メスが
逃げるかオスがメスを攻撃するかだった
ために断念。そこで「顎縛り」に頼ります。
インシュロック3つを使って顎を縛り、
動かないようにします。
小ケースにペアを入れ、ケンカが
起こりにくいようにエサを多めに。
見守り用のカメラもセットし、この状態で
1週間ほど様子を見ます。
同居の環境はこのようになっています。
ちなみに、ヒラタクワガタのオスはメスと
ペアが成立する前、メスを触角で連打し、
大顎で甘噛みをする行動をとります。
俗に「ヒラタダンス」と呼ばれている
そうですが、甘噛みとはいえ
「ゴリゴリ、バキッ」という結構な音が
する上にオスが本気で怒ったらメスは
一撃なので、私は顎縛りなしで同居を
させる気にはなれません。
2024年5月6日 片方だけでも
片方のメスとはほどなくしてペアが成立
しましたが、もう片方のメスはなかなか
ペアが成立しませんでした。
その後もしばらく様子を見ていましたが
メスが逃げてばかりだったため断念。
そこで成立した方のメスだけ産卵セットに
投入しました。
セットの内容はダイオウヒラタと同じで、
しばらく放置多めで様子を見ていきます。
2024年5月12日 やる気は十分?
セットしたその翌日から時々物音がしており
気になっていましたが、
この日に確認すると
木屑が噴き出ていました。
ペアが成立してから3週間が経過しており
間を置きすぎたかと考えていましたが、
この様子なら期待して良いでしょう。
中のチェックは6月末~7月頭の予定です。
2024年5月19日 実にあっさり
しばらく時間が経過したので、オスの顎を
縛り、成立しなかったメスと
再度同居させました。
結果はなんと15分ほどでペアが成立。
画像は見守りカメラの映像を切り抜いた
もので、見辛いですがメスが左を向き、
オスが右を向いて交尾しています。
翌日には最初のメスと同じように組んだ
セットへ投入しました。
産卵木が堅かったのが気がかりですが、
ひとまず様子を見ることにします。
2024年7月27日 少数精鋭
2つの産卵セットを割り出しました。
結果は片方から画像のような大きさの幼虫が2匹。もう片方は材を齧ってはいましたが
水分量が多すぎたのかところどころから
真っ黒くなった卵が数個出てきました。
とはいえしっかりと幼虫が採れたので
これでも十分。なるべく大きく育つことを
祈りながら成長を見守ります。
2024年8月14日 成長を祈って
幼虫がある程度成長したので、
マットを入れた800mlボトルへお引越し。
内容に関してはダイオウヒラタと同じで
気持ち程度に加水して軽く詰めました。
幼虫はどちらも2令になってから少し
経過したようでとても元気。
成長を楽しみにしつつ見守っていきます。