ダイオウヒラタクワガタ
飼育記録
学名:Dorcus bucephalus
主な産地:インドネシア・ジャワ島
インドネシアのジャワ島にのみ生息している大型のヒラタクワガタです。
学名の「bucephalus」は「ブケパロス」「ブケファラス」と読み、「牛の頭」という意味です。
また、この名前はアレクサンドロス大王の軍馬の名前でもあり、
和名の「ダイオウ」はここから取られています。
頭でっかちで大きく曲がった大顎を持ち、
体形を一言で言い表せば「太短い」という印象です。
気性は荒く力も強いため、挟まれれば大惨事になることもあります。
飼育に関してはさほど難しいことはないですが、
他のヒラタクワガタと比べやや高温に弱いので注意が必要です。
2024年4月1日 婿さんを用意して
一時期、昆虫マットを注文するついでに
本種のペアを購入し、2匹のメスを
得ていました。メスはどちらも
2023年の3月に羽化し、しばらく
食が細かったのですが最近になり食欲が
増したのかゼリーを空にすることが
増えてきました。
知人からオスを譲ってもらったため、
本種の繁殖に挑戦することにしました。
2024年4月14日 ビビリなのか?
オスは私が近づいたりケースに触れたり
するだけで大顎を振りかざして威嚇します。
恐る恐る発泡スチロールの上でペアリングを試みたところ、オスはメスに驚いたのか
そのまま走り去ってしまいました。
数回試しましたが同じ結果であり、そこで
もう1匹のメスはどうかと試してみると、
メスに吹っ飛ばされていました。
このままではペアが成立するかが怪しい
ので、万一の事態を避けるためにも
画像の通り顎を縛って同居させます。
2024年4月15日 案ずるよりも?
画像のような環境でオスメスを同居させ、
その様子を見守りカメラで撮影します。
最初のメスはオスを吹っ飛ばした方の個体
ですが、なんと同居後すぐにペアが成立。
翌16日の朝にはメスを入れ替えて再度
同居させたところ、カメラの映像で
午後1時にはペアが成立していました。
これで十分なので、オスは顎縛りを解いて
単独飼育、メスは数日栄養補給を行い、
私はその間に産卵の環境を整えます。
2024年4月19日 安産祈願
ペアが成立したので産卵セットを作成。
底数㎝にマットを固く詰め、その上に
産卵木を転がし、隠れるまで同じマットを
入れ、転倒防止に剥がした樹皮、あとは
ゼリーを入れて完成です。
毎日上の状態をチェックし、エサが空に
ならないようにします。
割り出しをするのは約2か月後。それまでに
運が良ければケースの外から卵や幼虫が
見えてくるかもしれません。
2024年4月29日 頑張る母親
ケースを見ると上の方でメスが
うろうろしていました。エサが欲しいのかと思いましたが、蓋を開けると同時に
そそくさと潜ってしまいました。
何がしたかったのだろうと思い
よく見てみると、産卵木の一部が
齧られているのを見つけました。
セットを組んでからまだ10日ですが、
この様子なら産卵に期待が持てそうです。
また、もう1つのケースは特に変化は
ありませんでした。
2024年5月18日 暴れる母親×2
メスが上に出て来ては蓋を齧っていることが増えてきたので、ケースを横から見ると
卵がちらほらあることに気づきました。
もう片方のケースは外から卵が見えません
でしたが、産んでいることを信じて
両方のメスをケースから回収しました。
写真は撮ろうと思いましたが、
卵がよく見えないので断念しました。
ケースの側面からある程度育った幼虫が
確認出来るまで、産卵セットは放置します。
2024年6月30日 待ちに待った結果
外から幼虫が見えたこともあり、2つの
産卵セットの中を確認することにしました。
結果は幼虫が5匹。思った以上に少なかったですが、調べると「マット産みを好むものと材産みを好むものがいる」らしいので、
材が細かったのであまり産まなかった
可能性もあります。
また、掘り出した幼虫はまだ小さかった
ので、木の中にまだ隠れている可能性が
考えられました。そのため産卵セットを
一旦戻し、しばらく経過してから再度
中身を確かめることにしました。