ヘラクレスヘラクレス 飼育記録
学名:Dynastes hercules hercules
主な産地:グアドループ諸島・ドミニカ
世界最大のカブトムシで、名前だけでも聞いたことがあるという人も多いと思われます。
大きく伸びた2本の角が特徴で、この角で挟みリフトアップする戦法を得意とします。
「ヘラクレスオオカブト」という名前が一般的ですが、本種は13種類の亜種がおり、
ヘラクレスヘラクレスはその中の1つです。
亜種の中でも最も体が大きくなり、胸角が太くなりやすく迫力があります。
カブトムシの中でも長寿な方で、上手く飼えば1年以上生きますが
幼虫の期間も長く、特にオスは2年ほどあります。
媒体によっては「ヘルクレスオオカブト」と呼ばれることもありますが
これは学名の「hercules」をラテン語読みしたものです。
2024年4月1日 ロマンを追って
今までも何度か飼育に挑戦していましたが、そのほとんどは温度の管理が不十分で
亡くなってしまっていました。
飼育部屋にエアコンを導入した今なら、
満足のいく子を生み出せるかもしれない。
期待とロマンを胸に飼育を開始しました。
現在は成長中の幼虫が2匹、2024年3月に
生まれたメスが1匹いるのですが、
オスがいません。そこで、とある
オンラインショップでペアを購入しました。
まずはメスを見守りながら、
新たなペアの到着を待ちます。
2024年4月11日 ペアの到着
この日の夕方に待望のペアが到着しました。
オスは130㎜、メスは65㎜程の大きさで、
情報を見る限りではどちらも
2023年12月生まれとのことでした。
メスはすごい勢いでゼリーを食べて
いましたが、オスは食欲がないのか
ゼリーの減りが緩やかでした。
一度対面させてみましたがオスの反応は
乏しく、成熟がまだである可能性が
考えられました。
オスが活発に食事を始めるまで、
見守りながら待つことにします。
2024年5月16日 無事に成立
5月に入ってからオスの食欲が徐々に増し、
完食して動き回る時が増えてきました。
頃合いかと思いメスの上にそっとオスを
乗せると、数分間見合った後に無事に
ペアが成立しました。
産卵に使用するマットが到着するまでの間は
たっぷりとエサを食べさせ、産卵に
備えさせます。エサはいつものゼリーの他、
バナナもよく食べるのでたまに与えます。
2024年5月20日 難儀と安堵と
18日には産卵セットを作成しました。
大ケースでしたが網目状の蓋だったので
コバエ防止にと新聞紙を間に挟んだところ、
新聞紙が足がかかりになってしまうのか
破って脱走しかける事態に。
何度かやっても同じことの繰り返しで、
このままでは潜らないので産まないわ
エサを食べないわコバエが出る可能性が
増えるわでいいことが無いので、仕方なく
しっかりした蓋の中ケースを使用しました。
やや狭いかもしれませんが、新聞紙を
破れないことに観念したのかすぐに潜って
いったので、上手くいくことを祈ります。
中のチェックを一旦6月半ばにしようと
考えつつ他のケースを見ていると、
2月に蛹になったオスが羽化していることに
気づきました。
サイズはやや小ぶりですが、見る限りでは
不調はどこにもなく、このまま無事に
羽をしまってくれそうです。
この子は3月に生まれたメスと
ペアリングの予定です。
2024年5月26日 取扱注意
外出のついでにペットショップへ立ち寄り、大型のケースを購入しました。
中ケースにセットしていた中身を
ひっくり返して詰め直そうとしたところ、
なんと早くも卵がちらほら。
この状態の卵は非常に弱く、わずかでも
力を入れると潰れてしまいます。
見つけた7個の卵はカップの中に入れ、
乾燥から守るために上から土を被せます。
後は孵化を楽しみに待ちます。
2024年6月23日 今度こそは
産卵セットにメスを投入してから約1ヶ月、
掘り出してみると10個の卵を
確認出来ました。
以前掘り出した卵は全て腐ってしまい
残念な結果になりましたが、次こそはと
信じて卵の様子を見守ります。
私の場合、卵の管理をする時は
側面側のマットを棒状のもので押して
凹みを作り、そこに卵を1個ずつ入れて
上からマットを被せて様子を見ています。
2024年7月20日 対策を立てて
最近生まれたオスメスのペアリングを
行いました。2匹とも飛び回るなどする
非常に元気のいい個体で、すんなりと
ペアは成立。30分ほど交尾していました。
数日程間をおいて再度交尾を行い、エサを
十分に食べさせてから産卵セットに
投入します。
また、6月に掘り出した10個の卵は全て
腐ってしまいました。
マットの中で管理するのは良くない
可能性が考えられたので、
新たな管理法を実践する予定です。
2024年10月5日 新しい方法
セットを組んでからしばらく経過したので
割り出しを行いました。
結果は幼虫1匹に卵5個。卵は内2個が
膨らんでおり、3個は産み落とされたばかりなのか細長い形状でした。
今回の卵の管理はエレファスやサタンでも
実践して効果があったティッシュ管理。
色々調べると園芸に使う吸水スポンジを
使用する方法もあるそうですが、
経費削減(?)のために
我が家ではティッシュです。
2024年11月17日 感謝と合掌を
11月に入ってからメスがゼリーを食べている様子がなくなり、心配になったので中を見ることにしました。
結果、2個の卵とバラバラになったメスの
遺体が見つかりました。
これよりも前に割り出した卵は5個中4個が
無事に孵化し、幼虫は先代の1匹と合わせて
6匹に。今回取り出した卵は
同じようにティッシュで管理します。
安定した方法を見つけるまでに多くの卵を
腐らせてしまいましたが、
子孫を残してくれたメスには感謝です。