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(個人的な)産卵方法

どんな種類でも「どう飼育すればいいの?」「温度はどのくらい?」

「産卵させたいんだけれど、必要なものは?」などなど、

飼育に関する疑問はつきものです。​

このページでは私個人が行っている産卵方法を記します。

100%正しいわけではなく、あくまでも「確率を上げる方法」として

​参考の一つになれば幸いです。

共通事項

カブトムシやクワガタムシは、羽化してからすぐに交尾、産卵が出来るわけではありません。

羽化したばかりの頃は消化器官などの内臓が不完全であり、エサを与えても食べません(※)。

種類によってまちまちですがある程度の時間が経つと内臓も安定し、エサを食べるようになります。

この「エサを食べるまでの時間」を「休眠期間」と呼び、羽化してからエサを食べることを

「後食(こうしょく)」、それからさらに少し時間が経過し、繁殖が出来るようになることを

「成熟」と呼びます。カブトムシやクワガタムシは

「羽化してから休眠期間を経て後食が始まり、成熟する」ため、それまでは我慢です。

成熟までの期間は早いもので国産カブトムシの2週間前後ほど、長いものではオオクワガタの半年ほどなどがあります。中には休眠に1年の時間を要する種類もいます。エサを食べているかを

確認する、羽化日が分かっているならそれからどのくらい経ったかを確認するなどが、繫殖出来るか

(成熟したか)どうかを見極めるポイントです。

※羽化して十分な時間が経っていない場合は衝撃に非常に弱いです。

大型であればあるほど十分に体が固まるまでに時間がかかるため、よほどのことがなければ

羽化してすぐには掘り出さずに1か月ほど待つか、羽化した生体が自力で出てくるまで待ちましょう。

早期に掘り出すと突然死を迎えてしまう可能性があるため注意が必要です。​

​ペアリング(交尾)

オスメスともに成熟が確認出来たら、次はペアリングです。

ペアリングの方法は一緒のケースで長くとも1週間ほど飼育する「同居ペアリング」と

目の前で交尾を目視する「ハンドペアリング」の大きく分けて2つがあります。

同居ペアリングは交尾の目視こそ出来ないものの人の気配を断つことが出来るため、

余計なストレスを与えることがありません。少し経過して一緒にエサを食べていたり、

オスがメスを覆い被さって守るような行動(※)をしていればほぼOKです。

ただしこちらは気性の荒いオスの場合だと目を離している間にメスが

殺されてしまう可能性もあるため、そのような場合はインシュロックなどで顎を縛るのが有効です。

ハンドペアリングは交尾の確認が出来るほか、メス殺しを防げるのも利点です。

猫の爪とぎ板(段ボールを重ねたもの)や発泡スチロールなどのしっかりと足がかりになるもの、

場合によっては「ハンド」の名前の通り手の上で行わせる(ただし手は傷つきます)などがあります。

ハンドペアリングは人間が近くにいるため、警戒心が強い種類はうまくいかないこともあります。

しばらく経過してもメスが逃げるようならば別の日に再挑戦しましょう。

※この行動は「メイトガード」と呼ばれており、主にクワガタムシに見られます。

自分の子孫を残すために交尾後のメスをオスが守るための行動であるといわれています。

カブトムシやクワガタムシのメスはオスから与えられた精子を一時的に精子嚢(せいしのう)と

呼ばれる場所で保管し、産卵の直前に自分の卵と受精させてから産卵を行います。

クワガタムシはメスの持っている精子をかき出してから交尾で自分の精子を与えて

メイトガードすることによって自分の子孫を残そうとし、

​カブトムシは交尾の前に他のオスと争い、より強いオスが

比較的長い時間メスと交尾することで自分の子孫を残そうとします。

クワガタムシのオスは「交尾した後で守る」ことにエネルギーを使い、

カブトムシのオスは「交尾の前に戦う」ことにエネルギーを使うことで、

お互いに異なる方法で生存戦略を取っていると考えられます。

​いよいよ産卵

​無事に交尾が確認出来た(と思われた)ら、環境を用意してメスに産卵を促します。

​種類が違えば適した環境も異なるため、それを理解しなければ産卵しません。

大きく分けて「温度」と「環境」の2つが重要ですが、

「温度」は本当に種によって様々なのでここでは割愛します。

では「環境」はどうかというと、カブトムシの場合は殆どが発酵が進んだ黒っぽいマットを使用する

​(種によってはそれに水苔を混ぜたり混ぜなかったり)という程度で大差はありません。

クワガタムシの場合は産卵木に産む「材産みタイプ」と

飼育マットにも産む(あるいは産卵木がなくてもOKな)「マット産みタイプ」があり、

これらの環境にも微妙に差異があります。

​産卵のための環境、産卵セットを作る際には、その種がどの環境で産卵するのかを

よく調べてから作りましょう。

ここまで長くなりましたが、下には私が飼育している時にどうしているかを記します。

​参考の一つとなれば幸いです。

​カブトムシの場合

​マットだけの場合

​マットに水苔を混ぜる場合

​クワガタムシの場合

材産みタイプの場合

マット産みタイプの場合

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