アトラスオオカブト 飼育記録
学名:Chalcosoma atlas
主な産地:東南アジア
大きく伸びた3本の角が印象的なカブトムシで、
夏が近くなるとホームセンターでも見かけることがあります。
同じく3本の角を持つものにコーカサスオオカブトがいますが、
あちらと比べると小ぶりで、頭角に棘状の突起がないことから区別出来ます。
(ただし産地によっては山なりの緩やかな突起があるものもいます。)
闘争心が強く、気に入らないものはメスであっても容赦なく攻撃するため、
場合によってはオスがメスを殺してしまうこともあります。
2024年4月1日 思い立ったが吉日
某100円ショップで買い物をしていると、
様々な昆虫を使うカードゲームを
見かけました。試しに数個買ってみると
その中に本種のカードがありました。
「成虫を飼った時は失敗してたなぁ」と思い、
初令の幼虫5匹をヤフオクで落札したのが
2023年の11月でした。
この時落札したのは、アトラスの中でも
特に大型になるミンダナオ島産の個体。
幼虫の期間はそれなりにある上に長い角の
個体を羽化させるのは難しいそうですが、
何事も経験です。
2024年4月20日 不意の噛みつきに用心

落札してから約5か月が経過しました。
2月に800mlボトルに入れていましたが、
外から見てそれでも狭いと思ったので
全員を1400mlボトルに移し替えます。
体重は24gほどが2匹、29gほどが2匹、
27gほどが1匹でした。単純に考えると、
オス3匹のメス2匹、或いはオス2匹の
メス3匹、となるかもしれません。
出来る事なら雌雄の判別をと思いましたが、
本種の闘争心は幼虫の頃から備わっており、体に触れると噛み付こうとします。
私が怪我をするか、最悪の場合は自分の
体を噛み、その怪我から死亡することも
あり得るそうなので断念しました。
無事に育ってくれることを祈ります。

2024年7月15日 体調不良?
前回の餌交換から3か月ほど経過したので
様子見のためにマット交換をしました。
体重にはばらつきがありましたが、
30gほどで体が黄色くなっている幼虫が2匹、
40g超えでまだ体が黄色くない幼虫が3匹
いたので、オス3匹でメス2匹の可能性が
高いと感じました。
画像は最大だった50gに近い子ですが、
酸欠だったのか病気だったのか、体に
張りがなくぷよぷよの状態でした。
しばらく様子を見ていると潜っていきましたが、注意深く様子を見ていきます。

2024年10月6日 羽化ズレの訪れ
再度訪れたマット交換の日。
やはりオス3匹、メス2匹ではっきり分かれたようで、2匹のメスは体重が30g前後ほどで
体が真っ黄色になっていました。
蛹化が近いのは喜ばしいのですが、
残る3匹のオスは画像のようにまだ黄色く
なく、蛹化はまだ先になりそうです。
オスの幼虫は内2匹が表面を徘徊している
ことが多く、体もぷよぷよで状態はあまり
よくなさそうに見えましたが、
無事に蛹化、羽化することを祈ります。

2025年1月26日 期待と不安と
前回から約3か月経過したのでエサ交換。
オス3匹はどれも少しずつ伸びており、
最大で画像の個体の60gほどでした。
一方のメスは2匹とも真っ黄色に
なっており、蛹化も近そうだったので
マットに少し加水して戻しました。
オスの幼虫の内1匹はやはり体がぷよぷよのまま。それでも体重が少し伸びていたので
無事に(?)成長はしているようです。
メスは蛹化が近いのは良しとして、
オスの蛹化はいつなのかが気になります。

2025年5月7日 禍福は糾える縄の如し
ぷよぷよの幼虫は前回の交換から1か月半
ほどで亡くなってしまいました。
原因は不明ですが、何かしらの病気だったのだろうと考えられます。
この日に容器の掃除をしながら残りの
幼虫を確認すると、見にくいですが
1匹が蛹になっていました。
幼虫を購入してから約1年半、
この時がようやく訪れたという気持ちです。
羽化を楽しみに待ちます。

2025年6月3日 現れた三叉槍
5月末頃にメスの幼虫がもう1匹蛹になり、
残るはオスと思しき幼虫2匹となりました。
内1匹は外から見えるところで
前蛹になっていましたが、
この日に蛹になっていました。
やや見にくいですが、
特徴的な3本の角が確認できます。
特別大きなサイズではありませんが、
初挑戦でこの大きさなら十分。
残った1匹の無事も祈りながら、
蛹達の羽化を楽しみに待ちます。

2025年6月30日 やっとこさ第一号
5月頭に蛹になった個体の入っている
ボトルを掘ると、既に羽化していました。
体がまだ赤いので昨日の内に羽化した
のだろうと思われます。
早い時期に掘り出してしまいましたが、
その割にはものすごく元気で
そこいらじゅうを歩き回ろうとします。
ひやひやしながらもボトルの中に戻し、
しっかりと体が固まってから
体長を測る予定です。

2025年7月29日 1か月遅れて
オスの蛹が羽化していました。
ボトルの側面にマットが付着しているせいでやや見にくいですが、うつぶせになり
正面を向いている状態です。
この個体も1か月ほど経過すれば体長が
測れるようになると思われるので、
早く確認したい気持ちを我慢して待ちます。
また、5月末に蛹化したメスの蛹は
1週間ほど前に羽化したのですが、
残念ながら羽パカの羽化不全となり、
この日に亡くなってしまいました。
残るはオスと思しき幼虫1匹ですが、
その個体の蛹化はまだ先になりそうです。

2025年8月10日 物音の主は
ボトルからやたらと物音がするので
確認すると、蛹室の中でオスが
暴れていました。多少早いのですが
慎重に掘り出してみると、外の光に
びっくりしたのか
今度は殆ど動かなくなりました。
チャンスと思いノギスで測定すると、
おおよそ90㎜ほど。大きさは普通ですが
完品で生まれたことには大満足です。
成熟には約2か月かかるそうなので、
繁殖は秋~冬を予定しています。

2025年11月9日 次世代なるか
オスの羽化から約3か月、そろそろ成熟は
どうかとメスに近づけてみると
すんなりとペアが成立。
メスはペアリングの時から右後ろ足の符節が麻痺してしまっているのですが、
それ以外には食欲も十分でとても元気。
最近は冷え込んできてしまったので
産むかどうかは心配ではありますが、
10匹くらい採れれば、と考えています。