アラガールホソアカクワガタ
飼育記録
学名:Cyclommatus alagari
主な産地:フィリピン、パラワン島
体長によって大顎の形が大きく変わることで有名なクワガタムシで、
大型個体は日本のミヤマクワガタのような立派なものになりますが、
中型~小型では長細い大顎に先端にギザギザした歯があるか、
先端から根本までギザギザした「和鋏」のような形になります。
飼育そのものはさほど難しくはありませんが、幼虫はなかなか大きくならないことでも有名です。
その分大型の個体が羽化した時の感動はひとしおで、
特に最も大きな内歯が斜め前に曲がる「スーパー長歯型」、
最も大きな内歯の根元に小さな内歯が生える「スーパー大歯型」は価値が高く、
中には「スーパー長歯型」と「スーパー大歯型」の両方の特徴を持った個体もいます。
そのような個体は非常に貴重で、かなりの値段が付くこともあります。
2024年4月1日 目指すは『究極』
図鑑を見て一目惚れし、飼育を続けてきた
本種ですが、私の今までの最大は
オスが50㎜ほど、メスが27㎜ほど。
本種は確認された最大サイズが74.5㎜
なので、まだそれには遠く及びません。
しかし、いつか必ず立派な個体を
羽化させたい。スーパー長歯、
スーパー大歯、それらの特徴を
持ち、体の幅は太く、サイズは最低でも
65㎜以上で、大顎の歯もしっかり生え揃った
「究極の個体」。それを目指して挑戦します。

2024年4月16日 愚直にロマンを
ヤフオクで落札した幼虫が到着しました。
親はオスが60.8㎜、メスが29.2㎜で、
累代はCBF1の個体が10匹。
状態を確認するとどの子も非常に元気で、
これからの成長が楽しみです。
これらの個体は全て800mlボトルへ投入し、
温度管理が必要な子達を入れている
ワインセラーの中で管理します。

2024年9月16日 道はまだ遠い
幼虫達をワインセラーに入れてから
5か月が経過。様子を見ると羽化している
個体がいたので、掘り出すことにしました。
10匹中7匹が羽化しており、残りの3匹は
まだ蛹でした。7匹の内1匹がオス、6匹は
メスで、大きさはオスが40㎜ほど、
メスは25~27㎜であり、親虫越えは
なりませんでした。
どうにも環境が合っていなかったようで、
もう一度本などを確認して
次こそはぴったりの環境で飼育します。
2024年10月27日 全員無事に

残りの蛹も羽化を確認出来たので
一斉に掘り出すことに。
残る3匹は全てオスで、2匹は最初に生まれたオスのようなハサミムシ型、残る1匹は
多少ながらも大顎が形成されていました。
大きさはどれも45㎜に届かないくらいで、
最近になって更新された69㎜には
まだまだ全く届きませんが、購入した10匹が全て無事に羽化したことは何よりでした。
この3匹は9月半ばではまだ蛹だったので、
羽化してからまだ1ヶ月も経っていません。
ゼリーを食べるのももうしばらく時間が
かかりそうですが、先に生まれた7匹は既に後食を始めているため、頃合いを見て
ペアリングを試みます。
2024年12月9日 二人にお任せ

11月下旬頃から全員の食欲が出てきたので、
1400mlボトルに床材と転倒防止材を入れた
ものにオスとメスを投入。オスが4匹いる
のでこれを4つ作り、様子を見ていました。様子の撮影もしたかったのですがカメラの
調子が悪かったため、ペアに任せることに。
そしてこの日までには全てのペアで
画像のように成立が確認出来ました。
アラガールは気性が荒くオスがメスを
吹っ飛ばす光景をよく見るのですが、
場所を作ってそのまま放置しておけば
案外うまくいくのかもしれません。
2025年4月13日 期待の新星

4つの産卵セットを作成していたのですが、内1つでメスが亡くなっていたため、
確認のために割り出しを行いました。
結果は幼虫が1匹。もう少しいるかなと
思いましたが、無事に次世代が生まれた
ことにほっと一安心です。
残り3つのセットのメスはまだ存命ですが、
外から見た感じがどれも同じように見えた
ため、幼虫は多くいないかもしれません。
調べてみたところ、産卵セットにはまだ
改良の余地がありそうなので、
次回産卵セットを組む時には
新しい方法を試す予定です。

2025年5月28日 少し我慢してね
3つのケースの割り出しをしましたが、
いずれのケースもメスは
亡くなっていました。
内2つのケースは坊主でしたが、1つのケースからは8匹の幼虫が見つかりました。
この幼虫達は1匹ずつ120mlカップの中で
少しの間我慢してもらい、
準備が整い次第新たな管理方法を
試すための場所へ移します。


2025年6月8日 次は来年?!
マットの用意が出来たので、全部で9匹いる幼虫達をお引越しすることに。
今回は雑誌で紹介されていた
「ガチガチビチャビチャ一本返し」
を実践してみます。マットの水分量をかなり多めにし、それを底から上までギューッと
固詰め。この状態で幼虫を投入し、あとは
温度管理をしながら羽化まで待つ……というものですが、マットは握りしめた時に
指の隙間から微妙に水分が滲み出るほど。
雑誌で紹介されていたマットを
使いたかったのですが、在庫切れだったので別の所で「マットの持ちがいい」と書かれて
いたものをチョイス。後は18℃くらいの
温度で飼育すれば、9か月~12か月後くらいには蛹化するようです。
こんな手法は全くやったことがないので
ものすごく不安ではあるのですが、
勇気を出してチャレンジです。
この幼虫達はサタンも入れている
ワインセラーの中で管理し、毎日温度を見るほかにもボトルの外から
時々様子を見ることにします。