ギラファノコギリクワガタ
飼育記録
学名:Prosopocoilus giraffa
主な産地:マレー半島、インドネシアなど
世界最大のノコギリクワガタにして、世界最長のクワガタムシとして有名です。
最大で120㎜を超す本種は細身ながらにしてかなりの迫力があります。
学名の「giraffa」は英語でキリンを意味する「giraffe」から取られており、
長い大顎をキリンの首に見立てて名づけられています。
全体的に細かな内歯が並び、先端とその付近に大きな内歯があります。
性格はあまり好戦的ではありませんが、
闘争心を爆発させると大顎で挟むのは勿論のこと、
相手をすくい上げるように投げ飛ばす、挟んで押し出すなども得意です。
産地によって若干ながら姿が異なる亜種が複数おり、
中でもフローレス島やロンボク島の個体は巨大化するため人気があります。
寿命は長めで温度の変化にもある程度強い本種は
外国産クワガタムシの入門種の一つとも言われています。
2024年4月1日 焦りは失敗の元
何度か飼育の経験がある本種ですが、
調べている中で印象深かったのは
「羽化直後の個体は衝撃に非常に弱い」こと。
どの種類にも言えるのですが、羽化後の
個体はまだ内臓が出来上がりきっておらず、ちょっとした衝撃で体の組織が傷ついて
しまうからです。
ギラファは中でも特にその傾向が強い
らしく、羽化してから取り出すのが早かったせいで早々に死んでしまったという報告も。
大きな個体を見てテンションが上がり、
早く大きさを測りたいという気持ちは
非常によくわかるのですが、先走るのは
失敗の元。それを肝に銘じて
改めてフローレス産の本種を飼育します。

2024年5月10日 たとえ小さくても
午後10時半過ぎに羽化を開始しました。
蛹になってしばらくした時にコバエが発生
してしまい、人工蛹室に投入した個体です。
大きさはかなり小さめで、目測で60㎜前後
ほど。それでも無事に羽化が完了すれば
問題ありません。
マットの選択を間違えたのか環境に問題が
あったのか、他もこのように小さな個体が
多かったのが残念ですが、オスメスともに
十分な数を確保できているため、
次世代も問題ないと思われます。
2025年1月26日 交配を目指す

2024年末に注文した福袋はパラワンと
ギラファのペア。此方もオスはおおよそ
95㎜であり、我が家で生まれた個体よりも
大きく立派な個体でした。
我が家ではあれからオスメスともにそれなりの数が羽化しましたが、メスはさておき
オスのサイズが今一つでした。
マットが合っていなかった可能性も
ありますが、大きくするには血筋も重要。
とはいえ羽化したのがオスは2024年の12月、メスは2024年の10月で、どちらもまだ
ゼリーを食べません。
春~初夏頃のペアリングを目指します。
2025年5月23日 大型は寝坊助

大型の個体とペアリングを…と
考えていましたが、食が細く
メスを近づけてもオスが逃げてしまいます。
どうやらまだ成熟していないようなので
別のオスとメスを交尾させ、その個体で
産卵セットを作成しました。
ギラファはマット産みとのことですが、
念のために産卵木を入れています。
産卵木は加水した結果握り潰せそうなほどにふにゃふにゃになってしまったので、
メスには見向きもされないか
遊び道具のように中でバラバラに
されそうな予感がします。

2025年8月31日 大成功!
産卵セットを作成して早3か月。
幼虫の姿が見えるようになってきたので
割り出しを行いました。
結果は13匹。2令幼虫もいましたが
まだ1令幼虫のものも4匹ほどいました。
産卵セットは木も含めてもう一度埋め戻し、
しばらく時間が経ったタイミングで
もう一度チェックします。
ちなみに以前に紹介した大型のオスは
ようやく起きた様子。この子の次世代は
現在検討中です。

2025年10月5日 目指せ大型
産卵セットの確認をしたところ、見落としの幼虫は居ないことが判明。
同日には出荷後に残った5匹の幼虫のために1100mlボトルを3つ、1400mlボトルを2つ
用意し、それぞれに幼虫を投入しました。
幼虫はまだ小さいので雌雄は不明ですが、
投入した翌日にはどれも食痕を
確認出来ました。
目標は105㎜。大きく育ってほしいです。