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​ニジイロクワガタ 飼育記録

学名:Phalacrognathus muelleri muelleri

主な産地:オーストラリア クイーンズランド州

​クワガタムシにしてはやや厚みのある体型と、非常に光沢の強い体が特徴です。

「世界一美しいクワガタムシ」とも呼ばれている本種は

緑にやや赤が混じる体色が基本ですが、緑がより強く出たものや

赤が強く出たもの、青や紫、果ては黒色など体色のバリエーションは豊富です。

オスの大顎は変わった形をしており、先端が二股に分かれていて

上にやや湾曲しています。大顎は元々からこのような形ではなく

蛹の時は丸まっており、羽化して間もない体の柔らかい時に

前足を使ったり、仰向けの状態から頭を動かしたりして自力で伸ばします。

寿命は1年~2年ほどと比較的長めで、幼虫の期間は1年ほど。

温度の変化にもある程度強く、飼育も簡単な部類に入るため

外国産クワガタムシの入門種と言っても良いでしょう。

親虫到着.JPG

​2022年8月2日 本種入手

​インターネットで様々なショップを見ていると

「外国産クワガタムシ 3ペア1万円」

という見出しを発見し、そのまま購入しました。

その中に入っていた内の1つが本種(左側)で、

オスは60㎜ほど、メスは40㎜ほどと大きめ。

これまでに何度か飼育の経験はあったので

​改めて繁殖させてみようと考えました。

​2022年9月22日 期待に胸を膨らませて

​9月14日にオスメスで同居を行い、程なくして

ペアが成立したことを確認しました。

9月19日には小ケースに産卵木1本、あとは

8分目ほどまでマットを入れた産卵セットへ

メスを投入しました。

ニジイロクワガタは産み渋りする個体もいるため

ボウズにならないか心配でしたが、この日に

ケースを確認すると産卵木を齧った痕と思われる木屑が噴き出していました。

中のチェックはまだまだ先ですが

​この様子なら期待出来そうです。

​2022年12月11日 果たして結果は

​10月19日にはケースの横から卵を確認しました。

ただ、卵は非常にデリケートなので

中のチェックは見送りに。同日にはメスが

マットから出ていたので、卵や幼虫の

捕食を避けるためにメスをケースから

取り出しました。

そしてこの日に割り出しを行うと

色々な場所から幼虫の姿が。

結果、21匹の幼虫を得ることが出来ました。

大成功という結果になり、メスにも感謝です。

幼虫達は全て小さなカップで個別飼育を開始。

​少し大きくなるまではそこで飼育します。

​2023年1月15日 実験を兼ねて

​カップの中身を確認するとどの幼虫もしっかりと成長しており、頃合いなのでもっと大きな容器へお引越しをすることにしました。

ニジイロクワガタは菌糸でもマットでも

大きくなりますが、今回はその実験も兼ねて

菌糸組とマット組でおおよそ半々に分けて

飼育を続行することにしました。

ある程度時間が経ったとはいえまだ小さいので

使用するカップをもう少し大きなものに変えて

​様子を見ていきます。

前蛹.JPG

​2023年6月17日 こんなに早かったっけ?

​4月15日には成長の度合いを確かめてから

今度はボトル容器へ移動させました。

6月13日には飼育部屋でコバエが発生したため

全ての調査をしていたところ、細長い空間の中に横たわっている皺の寄った幼虫の姿が1つ。

​蛹室を作り終えた幼虫が前蛹となり

蛹の時期が近くなったことの証拠なのですが

「まだ半年ちょっとなのにもうその時期なのか」と

少し驚きでした。

​その幼虫はこの日に蛹になりました。

初となる蛹はメスでした。

​2023年7月11日 最初の羽化

前述の個体はこの日に羽化を迎えました。

途中で蛹室が崩れてしまっていたために

中の蛹を掘り出しています。

見た時はまだ羽が真っ白でしたが

ニジイロクワガタの特徴的な光沢は

この時期でもよくわかります。

大きさは目測で40㎜に届かないくらいですが、

特に羽や体に支障はなく、元気そうでした。

​体が固まるまでおおよそ1か月ほど放置します。

​2023年12月13日 オスも続いて

7月15日、10月15日には幼虫達の餌を交換。

同時に体重を測り、しっかりと大きくなっていることを確認しました。

​11月には長い蛹室を確認し、それから程なくして中の幼虫はオスの蛹であると判明しました。

久しぶりに見るオスの蛹にワクワクしながら

日々を送り、この日に羽化を確認しました。

これ以降も羽化ラッシュが続いており、何匹ものオスメスが生まれています。

中にはまだ幼虫の個体もいますが、おおよそ

3分の2ほどは羽化して成虫になりました。

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