パリーフマタマタクワガタ
飼育記録
学名:Hexarthrius parryi
主な産地:南アジア、東南アジア
大顎の先端が二股に分かれていることからそう名付けられた
「フタマタクワガタ」の代表種とも言える種です。
メスは全身黒一色ですが、オスは頭部にある2つのコブ状の隆起と
背中の赤褐色の模様が特徴です。
名前の通り大顎の先端は二股に分かれており、
太短くがっしりした大顎のカッコよさと模様の美しさから
外国産クワガタの中でも人気が高い種です。
特にインドネシア産の個体は入荷量が多く安価なため、
フタマタクワガタの中でも入門種であると言われています。
ただし気性は荒く、気に入らなければオスがメスを殺すこともあるので
ペアリングの際はお互いの相性に気を付けなければいけません。
また、背中が赤いことから「セアカフタマタクワガタ」とも呼ばれます。
2024年9月21日 調査のために
2023年のゴールデンウィークに、東京の
とある昆虫専門店で購入したスマトラ島産の
リノケロスフタマタクワガタ。しかし、
今年の夏に羽化した個体がどう見ても
リノケロスではなかったため、その専門店に
持ちこみ、調べてもらうことに。
結果、本種であることが判明しました。
その時に購入したペアのオスは
リノケロスで間違いないが、メスが
本種であった、とのことでした。
その後に本種について調べてみると、
スマトラ島産の個体は本種の亜種の中では
最も大きくなるとのこと。
以前に飼育の経験がある本種ですが、
その時はメスをオスに真っ二つにされた
苦い経験があります。
とはいえせっかく我が家に来てくれたので、繁殖に挑戦することにしました。

2024年10月20日 慎重に……
オスメスともにゼリーをよく食べ、十分に
成熟をしたと判断したので
同居でペアリングを試みました。
最初はオスが暴れ回っていましたが、
15分ほどするとメスに気づいたらしく
メスの体を触覚で叩く光景を目撃。
メスもお尻を前後に振って
やる気を見せていました。
そこから数分後にはペアが成立。
そのまま一晩放置して、翌朝には
メスを取り出しました。
少しの間栄養補給をさせてから
産卵セットにメスを投入します。

2024年11月4日 温度と湿度に要注意
用品が揃ったので産卵セットを組みました。
やや加水した産卵一番を敷き、その上に
太めで柔らかめの産卵木を置きます。
フタマタクワガタは材に産む傾向が強い
ので、気に入ってくれるか少々不安です。
また、最近になってめっきり冷え込んだこともあり暖房を稼働させていますが、現在の
温度は18℃と少し。やや高めの25℃くらいが
適温であるそうなので、それには
届いていません。
とりあえずこれで1週間ほど様子を見て、
何も起こらないようなら設備を使って
さらに加温します。

2025年5月25日 ひょっとして?
以前にセットした2つは残念ながら
卵や幼虫は確認できませんでした。
そこで2週間前に残っていた別のメスで
再度産卵セットを作成。
するとこの日には齧った跡にお尻を
差し込んでいる光景が見られました。
他にも齧り傷がたくさん見られるので、
今回は期待してもいいのかもしれません。
引き続き観察を行います。

2025年9月13日 成果と課題と
セットを作成してからかなり時間が
経過してしまいましたが、割り出すと
2つのセットから4匹の幼虫を発見しました。
産卵材に発生するカビに関してはまだ
解決が出来ていませんが、通常の加水では
カビが発生してしまうようなので、加水の
方法や時間の変更、バクテリア材の使用で
環境を改善し、産卵数を増やせるかも
しれません。
幼虫は菌糸の方が良く育つそうですが、
マットでも良いそうなので
今回はマット飼育で様子を見ます。

2025年10月5日 環境は……?
4匹の幼虫はしばらく
200mlカップで様子を見ていましたが、
成長こそしているものの内3匹が潜らずに
上を徘徊しているという結果に。
幼虫達はこの日に800mlボトルへお引越し
しましたが、ここでも徘徊が
発動してしまうのでは……と不安でした。
入れてすぐは上を徘徊していましたが、
翌朝に確認すると全員潜っており一安心。
これからどこまで成長するか楽しみです。